【比較表あり】クラウド会計ソフト主要3社を徹底比較|機能一覧と選び方

クラウド会計ソフト主要3社(freee・マネーフォワード・弥生会計)の機能比較を示す記事用アイキャッチ画像。比較表とグラフのイラストを配置。
目次

中小企業・個人事業主が直面する会計ソフト選びの悩み

事業を運営するうえで避けて通れないのが会計・経理業務です。日々の仕訳入力から請求書発行、決算・申告まで、手作業で対応していては時間も労力もかかりすぎます。そこで、多くの経営者が導入を検討するのがクラウド会計ソフトです。

クラウド会計ソフトを利用すれば、銀行やクレジットカードとの連携による自動仕訳や、税制改正に対応した申告書の作成、さらには税理士とのデータ共有までスムーズに行えます。しかし、現在市場には複数のサービスが存在し、どれを選ぶべきか迷う経営者も少なくありません。


比較検討すべき主要3社とは?

日本で利用者が多く、特に中小企業・個人事業主に支持されているクラウド会計ソフトの代表格は以下の3社です。

  • freee会計:自動化・効率化に強みを持つ
  • マネーフォワードクラウド会計:経営分析や拡張性に優れる
  • 弥生会計オンライン:正確性とサポート体制で安心感がある

それぞれのソフトに特徴があり、導入する企業の規模や業種、経理体制によって最適な選択は変わります。


自社の経理体制と目的に応じて選ぶべき

3社のソフトはどれも基本的な会計機能を網羅していますが、「どこを重視するか」によって最適解が異なるのが実情です。

  • 効率性を重視するなら freee会計
    → 自動仕訳やAIによる学習機能で経理時間を削減
  • 経営分析や多機能性を重視するなら マネーフォワードクラウド会計
    → 他のクラウドサービスとの連携や経営ダッシュボードが強力
  • 正確性とサポートを重視するなら 弥生会計オンライン
    → 税理士や会計事務所との親和性が高く、サポート体制も手厚い

👉 つまり、どのソフトが優れているかではなく、自社の課題にフィットするソフトを選ぶことが成功のカギなのです。

主要3社の機能を徹底比較

1. 仕訳入力と自動化機能

  • freee会計
    • 銀行・クレジットカード・電子マネーと強力に連携
    • AIが仕訳候補を学習し、自動で仕訳を提案
    • 領収書はスマホ撮影で自動読取 → 経理担当がいなくても処理がスムーズ
  • マネーフォワードクラウド会計
    • 連携範囲が広く、金融機関やECサイト、POSレジまで対応
    • 自動仕訳精度も高く、ビジネス規模が大きくなっても運用可能
    • 部門別管理や取引先別集計など高度な設定が可能
  • 弥生会計オンライン
    • 自動仕訳は基本的な範囲に対応
    • 手入力中心だが簿記ルールに忠実 → 税務調査に強い帳簿作成が可能
    • 会計の基礎知識がある経理担当がいる場合に向いている

2. 確定申告・決算対応

  • freee会計
    • 個人事業主向けの確定申告機能が強力
    • 青色申告特別控除65万円に必要な帳簿を自動生成
    • 電子申告(e-Tax)との連携がスムーズ
  • マネーフォワードクラウド会計
    • 法人決算に強く、消費税・法人税の申告ソフトと連携可能
    • 個人・法人どちらの事業形態でも柔軟に対応できる
    • 決算書だけでなく経営レポートも自動作成
  • 弥生会計オンライン
    • 国税庁フォーマットに準拠した帳簿・決算書を作成可能
    • 青色申告にも法人決算にも対応
    • 税理士が使いやすい形式のデータを出力できるため、顧問契約との相性が良い

3. サポート体制

  • freee会計
    • チャット・メール中心
    • ヘルプページやコミュニティフォーラムが充実
    • 自分で調べながら解決したいユーザー向け
  • マネーフォワードクラウド会計
    • メール・チャット対応に加え、セミナーや動画解説が豊富
    • 操作だけでなく「経営改善」に役立つ情報を提供
  • 弥生会計オンライン
    • 電話サポートが標準で付帯
    • 有料オプションで訪問サポートも可能
    • 初心者や経理未経験者に安心感がある

4. 料金体系

  • freee会計
    • 個人プラン:月額1,628円〜
    • 法人プラン:月額2,618円〜
    • 自動化機能をフルに使うと割安感あり
  • マネーフォワードクラウド会計
    • 個人プラン:月額1,280円〜
    • 法人プラン:月額2,980円〜
    • 他のクラウドサービス(請求書、給与計算など)とセットで使うとお得
  • 弥生会計オンライン
    • 初年度は無料キャンペーンあり
    • 2年目以降は年額26,000円前後
    • サポート込みで安心感のある料金設定

比較表:主要3社の機能一覧

項目freee会計マネーフォワードクラウド会計弥生会計オンライン
自動仕訳◎(AI学習あり)◎(幅広い連携)○(基本的機能)
確定申告対応◎(個人向けに強い)○(法人向けに強い)◎(青色申告・法人両対応)
決算・法人税○(シンプル)◎(本格的)◎(制度対応に強い)
サポート○(チャット中心)○(セミナー充実)◎(電話・訪問あり)
料金月1,628円〜月1,280円〜年額26,000円〜(初年度無料)
税理士連携◎(クラウド共有)◎(多機能連携)◎(高い親和性)

理由のまとめ

  • freee会計 → 自動化・効率化が抜群で、経理リソースが限られる事業に最適
  • マネーフォワード → 拡張性が高く、法人や成長中の企業に強い
  • 弥生会計 → 安定性・正確性・サポートが充実しており、初心者でも安心

導入事例から見る3社の特徴

事例1:フリーランスのデザイナー(freee会計利用)

  • 背景
    年商600万円程度。経理経験はなく、確定申告を毎年手作業で行っていたため、時間がかかりすぎていた。
  • 導入理由
    • 領収書をスマホで撮影して自動登録できる点に魅力を感じた
    • 青色申告65万円控除に簡単に対応できる点
  • メリット
    • 経費の入力漏れが減り、課税所得を圧縮できた
    • 経理作業にかかる時間が半減
  • デメリット
    • カスタマイズ性は低く、複雑な経理処理はやや不得意
  • 結果
    約10万円の節税に成功し、作業効率も改善。

👉 freee会計は効率性と手軽さを求めるフリーランス・個人事業主に最適。


事例2:成長中のITベンチャー(マネーフォワードクラウド会計利用)

  • 背景
    従業員30名、売上2億円規模。部門別の収益管理が必要になり、従来のソフトでは対応できなくなった。
  • 導入理由
    • 部門別会計や取引先別の収支分析が可能
    • 他のクラウドサービス(給与計算・請求書管理など)と連携できる
  • メリット
    • 部門ごとの利益管理が可能になり、経営判断が迅速化
    • 将来の拡張性を見据えた投資として導入価値が高い
  • デメリット
    • 機能が多く、経理担当者に一定の学習コストがかかる
  • 結果
    決算のスピードが大幅に向上し、資金調達にも役立った。

👉 マネーフォワードは成長企業・法人に強いクラウド基盤として有効。


事例3:小売業を営む中小企業(弥生会計オンライン利用)

  • 背景
    従業員10名、売上5000万円規模。税務調査を受けた経験があり、帳簿の正確性を重視していた。
  • 導入理由
    • 顧問税理士が弥生を推奨していた
    • 電話サポートが標準で付帯し、初心者でも安心
  • メリット
    • 税務署対応に強く、調査時に信頼性が高い
    • 減価償却や引当金など制度対応が正確
  • デメリット
    • freeeやマネーフォワードに比べ、自動化の面では弱い
  • 結果
    税務調査時に指摘がほとんどなく、会計処理の信頼性が高まった。

👉 弥生会計は**「正確性・安心感」を重視する法人や初心者経営者**に適している。


事例から見える選択のポイント

  • 効率重視 → freee会計
  • 成長・拡張性重視 → マネーフォワードクラウド会計
  • 正確性・サポート重視 → 弥生会計オンライン

利用者の声(まとめ)

  • freeeユーザー:「会計を意識せず経費を処理できるのが助かる」
  • マネーフォワードユーザー:「部門別管理で経営の見える化が進んだ」
  • 弥生ユーザー:「税理士と同じ基盤で使えるので安心」

導入を検討する際のチェックリスト

1. 事業規模を確認する

  • フリーランス・小規模事業 → freee会計で効率化
  • 成長中の法人 → マネーフォワードクラウド会計で拡張性確保
  • 安定運営の法人・税務リスクを避けたい場合 → 弥生会計オンライン

2. 経理担当の有無を確認する

  • 経理専任担当がいない → 自動化に強いソフトが必須(freee or マネーフォワード)
  • 経理経験者がいる → 簿記ルールに忠実な弥生が安心

3. 顧問税理士との相性を確認する

  • 税理士がfreeeに対応している → クラウド共有が便利
  • 税理士が弥生ユーザー → データのやり取りがスムーズ
  • 経営改善まで相談したい → マネーフォワードで情報を多角的に管理

4. サポート体制の重要度を整理する

  • 自力で調べたい → freee
  • セミナーや学習コンテンツを利用したい → マネーフォワード
  • 電話・訪問サポートで安心したい → 弥生

導入手順のステップ

  1. 無料トライアルを利用する
    → 実際に触れてみることで、自社に合うかどうかを体感できます。
  2. 初期設定を正しく行う
    • 会計年度・勘定科目・消費税区分を確認
    • ここで税理士の助言を受けると安心です。
  3. 日常業務をソフトに移行する
    • 請求書発行・経費入力・銀行連携などを一通り体験する
    • 操作マニュアルやFAQを活用しながら慣れる
  4. 税理士とデータ共有する
    • 決算や申告時にスムーズに連携できる体制を整える
    • 毎月レビューを行うと節税効果も高まります
  5. 定期的に見直しをする
    • 事業の成長に合わせてプランを変更
    • 必要に応じて他社ソフトへ乗り換える選択肢も持っておく

自社に合うソフトを選んで経営を効率化

クラウド会計ソフトはどれも基本機能を備えていますが、

  • freee会計 → 自動化・効率化に強い
  • マネーフォワードクラウド会計 → 拡張性と分析に強い
  • 弥生会計オンライン → 正確性とサポートに強い

と、それぞれに個性があります。

👉 **「自社の経理体制・成長ステージ・税理士との関係性」**を整理したうえで選ぶことが、導入成功の最大のポイントです。

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