副業・複業を始めた人が直面する「確定申告の壁」
副業解禁の流れやリモートワークの普及により、会社員の副業や複業が一般的になりました。
ブログ収益、動画配信、クラウドソーシング、せどりやネットショップ、不動産収入など、収入源を複数持つ人は増えています。
しかし、そこで避けて通れないのが確定申告です。
会社員としての給与は源泉徴収されますが、副業・複業の所得については自分で申告しなければなりません。
「20万円ルール(副業所得が20万円以下なら申告不要)」を耳にしたことがある方も多いでしょう。
ただし、これは給与所得者のみの特例であり、医療費控除や住宅ローン控除を受ける場合などは少額でも申告が必要になるケースがあります。
さらに、青色申告を選択すれば最大65万円の控除が受けられるなど、節税の観点からも正確な申告は重要です。
副業・複業の確定申告でよくある悩み
副業で確定申告をする際、多くの人が次のような悩みに直面します。
- どの収入を申告すればよいのか分からない
- 経費にできる支出とできない支出の判断が難しい
- 仕訳や帳簿付けに時間がかかる
- 確定申告書類の作成が複雑
- インボイス制度や電子帳簿保存法など最新ルールへの対応に不安がある
これらを自己流で解決しようとすると、申告ミスや税務調査リスクにつながる可能性があります。
会計ソフトが副業・複業の強い味方になる理由
こうした課題を解決するのがクラウド会計ソフトです。
- 銀行口座やクレジットカードとの連携により、収入・支出を自動取り込み
- 領収書をスマホで撮影すれば自動で仕訳
- 確定申告書や青色申告決算書を自動作成
- 税制改正(インボイス制度・電子帳簿保存法)にも対応
- 税理士とデータ共有が可能
これにより、会計知識がなくても副業・複業の確定申告を効率的に進められます。
本記事で紹介する会計ソフト3選
今回は、数あるクラウド会計ソフトの中から、副業・複業の確定申告に特におすすめの3社を厳選して紹介します。
- freee会計
- 簿記知識ゼロでも操作可能。初心者にやさしいUI。
- マネーフォワードクラウド会計
- 自動連携が豊富で複数の副業を抱える人に便利。
- 弥生会計オンライン
- 歴史ある会計ソフトで、税理士との連携に強み。
ランキング形式ではなく、それぞれの特徴やメリットを整理し、副業・複業に合ったソフト選びを解説します。
副業・複業の確定申告におすすめの会計ソフト3選
1. freee会計
特徴
- 「簿記が分からなくても大丈夫」をコンセプトにした直感的な操作性
- スマホアプリでレシートを撮影すれば自動仕訳
- 青色申告決算書や確定申告書を自動作成
メリット
- 初めて確定申告をする人でも迷わず進められる
- 青色申告承認申請書や開業届の作成機能も搭載
- インボイスや電子帳簿保存法への対応が速い
向いている人
- 初めて副業で確定申告をする人
- 会計が苦手で「できるだけ自動化したい」人
- スマホ中心で作業を進めたい人
2. マネーフォワードクラウド会計
特徴
- 銀行口座・クレジットカード・ECサイトとの自動連携が豊富
- 複数の収入源を一括で管理できる
- レポート機能が充実し、収支の可視化に強い
メリット
- せどり・YouTube収益・クラウドソーシングなど複数副業を行う人でも効率管理可能
- 家計簿アプリ「マネーフォワードME」との連携で資産全体を把握できる
- 青色申告書・確定申告書の自動作成に対応
向いている人
- 複数の副業を掛け持ちしている人
- ネットショップやEC収入がある人
- 家計管理と事業管理を一元化したい人
3. 弥生会計オンライン
特徴
- 30年以上の歴史を持つ弥生シリーズのクラウド版
- 税理士や会計士に最も利用されているため、専門家との相性が良い
- 電話サポートや初年度無料キャンペーンが充実
メリット
- 簿記に基づいた入力方式で正確な帳簿作成が可能
- 税理士に依頼する場合、データ共有がスムーズ
- 初年度無料でコストを抑えられる
向いている人
- 税理士に依頼しつつ副業申告を進めたい人
- 確実に正確な帳簿を作りたい人
- 安定感あるブランドを求める人
選び方の指針
副業・複業の内容や自分のスタイルによって、最適な会計ソフトは異なります。
- 手間を減らしたい初心者 → freee会計
- 複数の収入源をまとめて管理 → マネーフォワード
- 税理士と併用して安心感を重視 → 弥生
💡 大切なのは「何を一番重視するか」を明確にすることです。
効率化か、連携の幅か、専門家対応かによって選択肢は変わります。
会計ソフト3社の料金比較
まずは、副業利用者にとって大切な「料金」を比較します。
ソフト名 | 主な個人事業主向けプラン | 月額料金(税込) | 年額料金(税込) | 無料期間・特典 |
---|---|---|---|---|
freee会計 | スタータープラン | 1,628円 | 12,936円 | 30日間無料 |
マネーフォワードクラウド会計 | パーソナルミニ | 1,408円 | 12,936円 | 1か月無料 |
弥生会計オンライン | セルフプラン | 月額1,800円前後 | 年額12,000円 | 初年度無料キャンペーン |
💡 ポイント
- freeeとマネーフォワードはほぼ同価格帯。
- 弥生は初年度無料があり、コストを抑えて始めたい人に魅力的。
- 長期的に使う場合は年額12,000〜13,000円程度が目安。
機能面の比較
青色申告や複数副業の収入管理を前提に、機能を整理しました。
機能 | freee会計 | マネーフォワード | 弥生会計オンライン |
---|---|---|---|
自動仕訳 | 質問形式で自動仕訳 | 銀行・カード・EC連携で自動仕訳 | 簿記形式の入力(正確さ重視) |
確定申告書作成 | ○(青色65万円控除対応) | ○(青色65万円控除対応) | ○(青色65万円控除対応) |
電子帳簿保存法対応 | ○ | ○ | ○ |
インボイス制度対応 | ○ | ○ | ○ |
スマホアプリ | ◎(レシート撮影即反映) | ◎(入出金自動連携強い) | ○(一部機能) |
税理士連携 | △(一部対応) | △(チャット中心) | ◎(専門家との相性抜群) |
💡 ポイント
- freee:簿記不要で初心者でも操作可能
- マネーフォワード:複数副業や口座を持つ人に最適
- 弥生:専門家連携や正確さを重視する人に安心
サポート体制の比較
副業初心者にとっては「困ったときに質問できるか」が重要です。
サポート内容 | freee | マネーフォワード | 弥生 |
---|---|---|---|
チャット | ○ | ○ | ○ |
メール | ○ | ○ | ○ |
電話 | △(上位プランで利用可) | △(一部プラン) | ◎(全プランで利用可) |
FAQ/学習記事 | 豊富 | 豊富 | 豊富 |
導入支援 | 初心者ガイドあり | 学習記事・動画充実 | 導入相談・税理士紹介あり |
💡 ポイント
- 弥生は電話サポートあり → 初心者に安心。
- freeeとマネーフォワードはオンライン中心 → スピーディー。
実際の利用者の声
freee利用者
- 「簿記の知識ゼロでも入力できた。初めての青色申告も安心だった」
- 「スマホでレシート撮影→即仕訳が便利すぎる」
マネーフォワード利用者
- 「クラウドソーシング、せどり、YouTube収益をまとめて管理できて助かる」
- 「複数のカードや口座のデータを自動で集約してくれるのが楽」
弥生利用者
- 「税理士とデータを共有でき、安心して確定申告を任せられる」
- 「初年度無料で始められたのが良かった。電話での質問もすぐ対応してもらえた」
副業・複業の確定申告に会計ソフトを導入するためのステップ
ステップ1:自分の収入形態を整理する
まずは「どんな副業収入があるか」を洗い出します。
- クラウドソーシング、ライター報酬
- YouTubeやブログの広告収益
- せどりやネットショップの売上
- 不動産収入、副業の委託業務
収入源ごとに入金方法や経費項目が異なるため、最初に全体像を整理しておくことが大切です。
ステップ2:会計ソフトを無料体験で試す
freee・マネーフォワード・弥生のいずれも、無料期間や初年度無料キャンペーンがあります。
実際に触ってみて、「操作が直感的にできるか」「自分の副業スタイルに合っているか」を確認しましょう。
ステップ3:金融機関やカードを連携する
クラウド会計ソフトの強みは自動連携です。
銀行口座やクレジットカードを連携させることで、日々の入出金が自動で仕訳候補として取り込まれ、手作業が大幅に減ります。
ステップ4:経費をこまめに記録する
副業・複業は「どこまで経費にできるか」が節税のカギです。
- 打ち合わせに使ったカフェ代
- 副業用パソコン・周辺機器
- 通信費や光熱費の一部(家事按分)
領収書をスマホで撮影して取り込めば、申告時に慌てる必要がありません。
ステップ5:青色申告を活用する
副業でも条件を満たせば**青色申告特別控除(最大65万円)**を受けられます。
複式簿記が必要ですが、会計ソフトを使えば自動で帳簿が作成されるため、初心者でも問題なく対応できます。
ステップ6:必要に応じて税理士に相談する
会計ソフトは非常に便利ですが、節税戦略や税務判断までは代行できません。
高額所得や複数事業を抱えている場合は、税理士とスポット契約し、会計ソフトのデータを共有してアドバイスを受けるのが安心です。
会計ソフト導入の効果まとめ
- 確定申告の手間を大幅に削減
- 経費をもれなく計上でき、節税効果が高まる
- 最新の税制(インボイス・電子帳簿保存法)にも安心対応
- 数字を可視化することで、副業の収支管理がしやすくなる
副業や複業は本業にプラスの収入をもたらしますが、確定申告をおろそかにすると税務リスクや余計な出費につながります。
クラウド会計ソフトを導入して、安心して副業に取り組める環境を整えましょう。